業務効率化ツールの導入・定着を成功させるには
業務効率化ツールの導入・定着には入念な準備が必須
【はじめに】せっかく導入したツール、現場に定着しない
テレワークをきっかけに、ビジネスチャットツールやプロジェクト管理システム等、業務効率化のためのビジネスITツールを導入した会社も多いのではないでしょうか。
ビジネスITツールは、各自の業務進捗を可視化・共有できることで業務上のコミュニケーションを円滑にするものです。ツールを上手く活用できるほど、業務効率化や生産性向上につながります。 しかし、ツールを導入したものの、社内でなかなか浸透しない、といった問題もよくあります。
「現場の社員が面倒くさがって、使おうともしてくれない」
「気づいたら、社内の少数の人しか使っていなかった。」
「ログインした形跡が一度もない…」
このような導入失敗経験があればあるほど、新たなツール導入の決定はしづらくなるもの。
そこで、本記事ではビジネスITツールの導入・浸透を社内で成功させる秘訣をお伝えします。
【業務効率化ツールが社内浸透しない原因とは】
せっかく導入したツールが社内で浸透しない原因は主に2種類あります。
①環境変化に消極的な雰囲気が原因のパターン
・シニアクラスの社員がITツールについていけない
・従来から慣れ親しんだアナログな方法があり、新たなツールで手こずってしまうくらいならば、アナログな方法でも十分と感じる(むしろ、アナログの方が良い)
環境変化に消極的なこのような雰囲気が浸透の足かせになることがあります。 新たなツール導入により、何らかの変化があるのは避けられないこと。むしろ、何かを改善したり、良い変化を起こすためにツールを導入しているので、変化は避けられないものです。このような場合は、起こりうる変化への心理的なハードルを下げていくことが、浸透の鍵になります。
②ツールの仕様が原因のパターン
・毎回ログインが必要で、パスワードを忘れ、ログインしなくなる
・使い方がいまいちわかりにくく、1か月経っても使い方に慣れない
わかりやすくシンプルな機能、直感的に操作方法がわかる画面構成など、ツールの仕様は重要です。使い方が複雑だったり、手間がかかるものほど、自然と使用頻度は低下するものです。使用頻度が減ることで、パスワードを忘れ、より一層ツールとの間に距離が生まれて、ほとんど使わなくなる、ということもよくある事例です。
こればかりは実際にツールを触ってみないと判断できませんので、ツール検討時には積極的にフリープランや無料トライアル期間を活用してみてください。ITリテラシーが高くなくても使えるか、つまり、誰にとっても使いやすいかという視点で試すと良いでしょう。
【導入前段階にするべき3つのこと】
ツールを円滑に社内導入・浸透させていくためには、導入前の入念な検討と準備が欠かせません。導入前にするべきことは3つあります。
①「自社にフィットするか」という視点でツールを選ぶ
自社にフィットするかどうかを判断するには、「ツール導入によって、何をどのような状態に改善したいのか」を考えることで見えてきます。
まずは、理想(あるべき姿)と現状を箇条書きにすると良いでしょう。理想から書き始め、理想に対応させるように現状を書くのがコツです。理想と現状の間にあるギャップが自社の抱えている問題、つまり、解決すべき課題の種にあたります。
次に、課題がなぜ起きているのかを挙げていきます。この時、芋づる式に自社の抱える課題が浮上するかもしれませんが、自社の課題の「真因」は何かを見極めていく過程で、優先度が付き、これがツール選びの決め手や基準になるのです。
また、この時忘れてはいけないのが、「誰がどのような時に使用するツールか」という視点です。営業担当者が外出中に入力したり、閲覧することが多いものであれば、ブラウザだけでなく、スマートフォンアプリに対応しているかどうかでも、使い心地は大きく変わります。このような視点も含めて、最後は総合的に選定をします。
②導入目的や使い方を事前に現場へ周知する
導入前の時点で、ツール導入の目的をしっかりと伝え、現場と意識合わせをしておくことも有効です。ツールの内容によっては、使い方マニュアルやルールを整備しておくと効果的です。
また、研修や説明会を開催することもおすすめです。ツールの内容にもよりますが、30分程の短い時間で設定し、同じ内容を複数日程に分けて開催すると参加しやすいでしょう。
意識合わせをする意味では、部署単位で実施すると、インプットされる情報が部内で均一になる点がメリットです。
③部署ごとにプロモーターを認定する
社内の根幹にかかわるツールや、機能が多岐にわたるツールの場合は、予め各部署で1名ずつプロモーター(=導入推進役)を選任しておくとスムーズです。
全社員に使い方の研修や説明会を行っても、実際に使っていくうちに些細な疑問も湧くものです。そのような時、部署内に「この人に聞けば解決できる」という人がいることで、日々の躓きも解決しやすくなり、現場にツールが浸透しやすくなります。
もちろん、プロモーターにはツール導入前に研修を行い、使い慣れておいてもらう必要があります。適した人材の選出も必要ですが、こうした地道な仕掛けほど、着実に定着へと向かうことができるのです。
【導入直後の流れで押さえるべき3つのこと】
スムーズな導入のためには、導入直後の流れも予め作っておく必要があります。ここからは、導入直後の流れを押さえていきます。
①基本の機能に絞って使ってもらう
ツールには様々な便利機能がついていることが多く、このような機能を使いこなせると、アナログな方法で業務を行っていた時に比べ、格段に効率が上がったという実感に繋がるでしょう。導入した側としては、現場に積極的に駆使してもらい、ツールによる業務効率アップを早く実感してもらいところ。ですが、ここは焦らず、最初は基本機能に絞って使ってもらうのが最良です。押さえておくべき基本機能は何かを具体的に示しておくことで、現場はどこから手を付けたらよいかがわかりやすくなります。基本機能を押さえた時点で、段階的に便利機能の使い方を上乗せさせていくと、効率化の実感を伴いながら、より定着が進むでしょう。
②ツールを活用しなければいけない環境を意図的に用意する
ツール使用の習慣化のためにも、導入時は毎日でも触れてもらうきっかけを用意しなければなりません。例えば、「今後〇〇の報告をするときはこのツールを用いて報告すること」と定着のためのルールを作ってしまうのがおすすめです。
少し強引に聞こえるかもしれませんが、ツールを導入したものの、既存の方法も残しておくと、単純に現場でやることが増えてしまいます。一増一減(一つツールを増やしたら、何か一つ減らしていく)の考え方で、従来の方法を断ち切ってしまう思い切りの良さも必要です。
③導入後はしばらく様子見
ここまで導入前と導入後で入念な準備をし、様々な打ち手を用意しましたが、最も重要なことは、しばらく様子を見るということです。事前に作ったマニュアルやルールも、しばらく運用していく中で、不足が見えてくるものです。そこで、しばらく様子を見た結果として、マニュアルによくある質問を追加したり、ルール改定をしていきましょう。また、上手くツールが活用された成功事例なども同時に集積し、社内報などで情報発信することで、次第にツールが日常に溶け込んでいきます。少々もどかしくても、腰を長く据えて様子を見ることが大切です。
まとめ
新たなツール導入には何らかの変化を伴うものです。その変化に対して、出来る限り心理的なハードルを下げつつ、自社の課題解決にフィットしたわかりやすく便利なツールを選定していくことが重要です。
ですが、最も重要なことは、導入や浸透そのものを目的にするのではなく、本来ツール導入により解決したかった課題を克服し、会社が目指している姿へ組織全体が変わっていくことです。
弊社では食品業界に特化して、マーケティングリサーチ効率化ツールをご提供していますが、ツールをお渡しするだけでなく、いかにスムーズに現場に定着させるかを大事にしています。
ぜひツール導入には興味はあるけれども、社内浸透に障壁があるとお悩みの企業様はご相談ください。
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