SDGsのキホンと食品業界の取り組みトレンドを知ろう!
「SDGs」という言葉、最近いろんな場所で聞くようになりましたね。
「プラスティック・ストローを紙ストローに変えたことがSDGs」
「学習機会の提供がSDGs」
「食べ残しをしないように心がけることがSDGs」
一口に「SDGsやってます!」と言っても、取り組みは様々です。今回は、そもそもSDGsとは何なのかについて整理しつつ、食品業界におけるSDGsの取り組みについて考えてみましょう。
そもそも、SDGsって何?
端的にお伝えするなら、SDGsというのは2030年までに持続可能な世界を作るための世界共通の目標です。正式名称は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」で、2015年9月に国連サミットで採択されました。
「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」ために、貧困や飢餓の解決、教育機会の提供、差別の根絶などの17個の目標を定めています。
SDGsの生まれた背景
1972年、ローマクラブは地球の資源と有限性に着目し、「人口増加や環境汚染等、現在の傾向が続くと、100年以内に地球の成長は限界に達する」との報告書を発表しました。世界終末時計も近年は刻刻と終末に向かって近づいてゆき、2020年現在は終末まであと100秒と、1947年以降最も時が進んだ状態となっています。
「このままではいけない。環境を守らなければ!」と考えた国々が集まって1972年に「人間環境宣言」を採択したのが、国際的な環境保全活動の始まりです。
そうして国連各国が環境への取り組みを進めていく中で「サステナビリティ(持続可能性)」という考え方も浸透していきました。
そんな中で2000年、環境だけではなく貧困、教育、ジェンダー差別といった国際的な課題も統合した開発目標「MDGs」がスタートしました。MDGsは「極度の貧困と飢餓の撲滅」「初等教育の完全普及の達成」などの8つのゴールが掲げられ、達成年限は2015年とされていました。MDGsは貧困層の低減等、一定の成果は出したものの、いくつかのテーマでは課題を残すこととなりました。
国連や政府が取り組むだけでは、世界の開発目標を達成することは難しい。
そんな背景から新たに採択されたのがSDGsです。ですから、SDGsの取り組み主体には民間企業や私たち一人ひとりが含まれています。
「CSR」とSDGs
さて、企業における社会貢献的な取り組みといえば、SDGsではなく「CSR」をイメージされる方も多いのではないでしょうか。CSRもまた、社会課題に対する企業の取り組みを指しているため、SDGsと混同されがちです。
CSRは企業の本来の業務とは切り離された取り組みで、本業とは別に、プラスアルファで費用をかけた社会貢献活動です。「プラスティック・ストローを紙ストローに変えた」という取り組みは、どちらかといえばCSR的な要素が強いといえますね。
一方、SDGsは企業が事業を通じて取り組んでいくものです。収益性がなければ長く続けていくことはできませんからね。ビジネスと社会課題の解決を両立させた取り組みなのです。
例えば「プラスティック・ストローの代品となりうる紙ストローを開発・販売しています」とか、「学習機会を提供しています」というのは、まさにその事業を継続させること自体が開発目標達成に貢献している取り組みです。
食品業界におけるSDGs活動のトレンド
では、食品業界ではSDGsのそれぞれの目標に対して、どのような取り組みが行われているのでしょうか。
農林水産省の「SDGs×食品産業」ページに掲載されている51社の取り組みを目標別に分類にしたものが下記グラフです。
これを見ると、「3.すべての人に健康と福祉を」と「12.つくる責任 つかう責任」に関する取り組みを進める企業が多いようです。「3」については、「食」という視点で人々の健康を支える取り組みですから、皆さまもイメージがつきやすいのではないでしょうか。
では、食品業界における「つくる責任 つかう責任」の取り組みとは?
食品業界の「つくる責任 つかう責任」
「食品ロス」という言葉を聞いたことはありますか?
食品ロスというのは「まだ食べられるのに廃棄される商品」を指す言葉です。実は我が国では年間推計約646万トンの食品ロスが発生しています。
食品ロスの増大は、食料不足や貧困問題の加速、焼却・埋め立て処分による温室効果ガスの排出、人的・物的リソースのムダづかい等の問題を孕んでいます。
食品関連企業が取り組む「つくる責任 つかう責任」は、まさにこの食品ロスをなくすための活動です。例えば、製造中に型崩れしてしまった食品を格安販売することで廃棄を減らす、賞味期限の近づいている商品をNPO法人に寄贈し、こども食堂等で役立ててもらう等の取り組みが挙げられます。今までは廃棄費用をかけて捨ててしまっていた食品が、誰かのために活用される。これって素晴らしいことですね。
他にも、廃棄が出ないようにそもそもの製造量を調整する、というのもまた、「つくる責任」です。
弊社におけるSDGsへの取り組み
弊社の提供しているアプリ「DELIPO!」は、消費者の皆様自身がSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献していただけるサービスです。
普段のスーパーでの買い物の中で購入したお惣菜やお弁当について、写真や感想を投稿していただくことで、食品小売企業側に「こんなお弁当がおいしいよ」という声や、どんなお弁当がどれだけ売れたのか、というデータを届けることができます。このデータがあれば、企業は商品開発や製造数の策定がしやすくなります。それは結果的に食品ロスの抑制にもつながっていくのです。
興味を持たれた方、ぜひ下記から詳細をご覧くださいませ。
SDGs達成には、一人ひとりの活動が不可欠です。2030年までもう10年を切っています。ぜひ今日からあなたも活動をスタートさせましょう!