「ECRSの原則」を使って業務効率化を成功させよう! ~食品業界のマーケティング・リサーチを具体例に解説します~

「業務効率を上げる」

このワード、会社の中でもよく出てくるのではないでしょうか。今日は、業務効率の見直し手法「ECRSの原則」とその具体例をご紹介します。みなさまの参考になれば幸いです。

 

【読めばここがわかる!】
・業務効率が上がることのメリット
・「ECRSの原則」とは何か
・「ECRS」を実際にどう取り入れて考えるのか

 

業務効率化って?

業務フローを見直して、ムダややりすぎの部分をカットする、仕事の流れ自体を見直すことで時間短縮を図る等の活動を指します。
トヨタの「カイゼン」はとても有名ですよね。

 

業務効率が上がったらどんな良いことがあるのか?

・少ない人員でも運用できる可能性の創出
生産年齢人口が減少傾向にある今、働き手確保のハードルがだんだん上がってきています。
今のうちに業務効率見直しを行っておくことで、ムダや工程間の手待ちにメスを入れ、効率を上げておくことで、業務時間の短縮が可能になります。
そうすれば、より少ない人数・時間で業務サイクルを回していく可能性が生まれます。

 

・コストが削減できる(残業時間が減る)
一連の業務フローが効率化すれば、上記にもある通り、労働時間が減少します。
そうすれば残業代が削減され、収益改善にもつながることとなります。

 

「ECRSの原則」とは?

ECRSは業務改善の一手法です。

Eliminate:なくす
Combine:一緒にする、まとめる
Rearrange:順序を入れ替える
Simplify:簡単にする

の頭文字をとっています。

業務効率の見直しに当たっては、まず「誰がどんな業務をしているか」「どんなフローなのか」を具体的に洗い出し、見える化することが必要です。
そのうえで、「なくすことのできる業務はないか(Eliminate)」「まとめられる業務はないか(Combine)」「順序を変える(内容を変える)ことで改善できることはないか(Rearrange)」「作業を簡素化できないか?(Simplify)」の順番に、課題を整理していきます。
削除→結合→入替→簡素化 の順番に見直すというのがポイントです。

また、これらの見直しによる業務効率化効果は下図のように表されます。

〇の大きさが大きいほど、業務改善効果は高くなっています。
まずは、「なくす」ことから考えていくようにしましょう。

 

では、食品業界におけるマーケティングリサーチ業務を例に、ECRSの具体的な活動を見てみましょう。

・ある企業Aのマーケティング部隊では、それぞれのメンバーが小売業者に出向き、価格調査を行っている。
・調査中の情報はメモアプリに残しておく。
・16時頃に帰社し、日報を作成する。日報作成には30分程度の時間を要する。
・17時からミーティングを行い、その日の活動実績をそれぞれに報告する。会議時間は30分程度である。この時、リサーチ店舗が重複していると発覚することも多い。
・さらに月次で、それぞれに調査結果を分析し、仮説検証結果等について議論するミーティングも実施している。報告様式等は特に決まっていないため、人によって分析精度は異なる。

さて、この場合、どうすればより業務効率が上がるのでしょうか。

 

なくす(Eliminate)業務の具体例

まず、なくせる業務がないか考えてみましょう。
一般的に、なくす対象となるのは、報告書等の書類作成業務や会議です。
A社では日報作成という書類作成業務と、成果報告ミーティングが設定されています。これらはなくせそうでしょうか。
携帯に入力したメモが自動で報告書に落とし込まれるツールが導入できれば、わざわざ日報を作成する必要がなくなります。
また、その情報をメンバー間でシェアできれば、会議の「報告」にあたる時間の削減が可能ですし、実施回数も減らすことができるかもしれません。

 

まとめる(Combine)業務の具体例

では、まとめられる業務にはどんなものがあるでしょうか。
先ほどと少し重複しますが、「各メンバーの調査結果をまとめてしまう」ことが挙げられます。収集した情報を集約して結果を出力ができれば、全員の報告資料を一つにすることが可能です。分析もまとめて行えそうですね。
また、適時に情報の確認ができるので、例えば月次会議に活動報告会をまとめることもできそうです。

 

入れ替える(Rearrange)業務の具体例

ここでは、作業順序や作業内容を変更することで業務を効率化できないか、検討します。
作業を、ツール活用等で短縮してしまうのも、Rearrangeの一つの方法です。
また、A社の例を見ると、例えば毎日17時から実施しているミーティングを朝に変えるという方法も有効です。
朝礼でそれぞれのメンバーがその日の行動予定を共有していれば、収集データの重複は回避できるため、作業効率が上がります。

 

簡素化(Simplify)業務の具体例

最後に、作業の一部を簡素化しても同じ成果を出す手法がないかを検討していきます。
方法をシンプルにすることで、人によって作業品質に偏りが出ることを抑制することができます。A社の例ですと、「必要な要素を整理し、あらかじめ分析報告資料のテンプレートを作ってしまう」「分析方法を標準化する」ことで、業務の簡素化が実現できそうです。

このように、ECRSを取り入れて考えることによって、業務効率化を促進することができます。
業務の棚卸をしてみると、業務の目的や必要性に目を向けることになりますので、いままで「当たり前」だと思っていた業務が実はなくせる!と気づくこともしばしばです。
ぜひみなさんの業務でも実践してみてください。

 

「フードデータ・コンテナ」でマーケティングリサーチの効率化

弊社では、食品小売業界向けに、マーケティングリサーチを効率化できるツール「フードデータ・コンテナ」を提供しています。

商品の写真とメモをその場でアプリに登録いただくと、即時に社内メンバーでその情報の共有が可能になります。
すぐに情報が確認できるので、メンバー間での重複等も回避できます。
また、登録されたデータはカテゴリごとにまとめて一般的な表計算ソフトで出力いただくこともできます。
報告書作成の手間を削減(E)、情報をまとめる(C)、後からではなくその場で報告(R)、まとめ資料を共通フォーマットで簡単作成(S)と、業務効率化の要素も満載です!

トライアル導入も承っておりますので、気になるあなた、ぜひコチラからご一報くださいませ。