業務プロセスの問題と課題の把握 DXへの一歩
経済産業省では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を以下のとおり、定義しています。
❝企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること❞
「DX 推進指標」とそのガイダンス 令和元年 7 月 経済産業省
この定義を噛み砕くと、ITを活用して業務プロセスを改善し、自社の優位性を見出して事業を続けられるようにしようということになります。
前回のブログでも述べた様に「一足飛びでDXが出来た!」ということはありえません。自社が抱える業務プロセス上の問題や課題を把握し、まずは、そこにITを取り入れ、社内で「回す」「定着させる」という「基盤づくり」が、DXを成功に導く鍵となってきます。
それでは、業務プロセス上の問題や課題は、どのように整理し、取り組み優先順位を決めるにはどのような方法があるのでしょうか?
1つの方法として、“人に行動を開始させ、その行動によって何かを変えて良くする「見える化」”による自社の問題や課題を把握してはどうでしょうか。
この方法は、トヨタ生産方式の見える化と呼ばれています。この6つの指標に合わせて自社の業務プロセスをチェックしてみてください。
1.「暗黙知」の見える化
2.「組織をつくるため」の見える化
3.「成長」のための見える化
4.「自律させるための状態」の見える化
5.「異常」の見える化
6.「ムダ」の見える化
1.「暗黙知」の見える化
知恵の共有とは、1人が得た知恵を組織全体で活用することで、1つの知恵が数十倍以上の価値を生み出す効果です。
一人の頭の中で暗黙知となっている知恵を知恵を共有するためには、お互いに知恵を交換できる環境が必要となります。知恵を見える化し人に伝え、共有できるようにすることが必要となります。
2.「組織をつくるため」の見える化
組織とは、共通の目的・方針のもと一致協力して、知恵を共有し、有機的に連携して行動する集団ですが、一人ひとりが異なる目的・方針をもち、バラバラに行動していることも見られます。
組織は個人の能力を互いに利用し合い高め合う関係にあります。これらを見える化し一人ひとりの能力を蓄積することで組織の能力が高まります。
3.「成長」のための見える化
自分たちが成長しているのかを客観的に計測し、様々な施策が有効か否か評価しながら、その施策の取捨選択、改善を図っていく必要があります。
業務プロセスの中でも定量的な効果(コスト)の把握が可能な施策や定性的な効果(品質や生産性)があります。部門や個人間の品質や生産性の高さを比較して測定することは困難ですが、同じ部門や、同一個人において品質や生産性の高さを測定し見える化することはできます。
4.「自律させるための状態」の見える化
自律とは、目的に向かって組織や個人がやるべきことを明確にし、目的に対する自らの行動を最適化し適切な行動に調整していくことです。自ら考えて自ら行動する組織や個人となるためには、考えていることや行動の状態を客観的に見ることができなければなりません。
今、何のために、何に向かって、どこまで進んでいるのか、目的の達成はどの程度か、問題は発生していないのかを見える化し、活動を振り返ることができる仕組みが必要です。
5.「異常」の見える化
予防管理とは、様々な問題が発生する前にその事実を予知して問題発生を防止したり、目標を達成させるために行われる予防的処置を繰り返すことです。
予防的処置を行うためには、まず正常な状態を明確にし、その状態から外れた状態である異常な状態を見える化し、商品の安全性や信頼性を保つ効果を発揮します。
6.「ムダ」の見える化
過去には価値があった仕事でも、顧客や市場が求めるものが変化し、今では価値のないものになって、一生懸命がんばっているのに報われないということになっていないでしょうか。
価値の変化や進化をとらえるためには、価値に対する認識を深め、それを高めることを追求することでムダを排除します。
さて、問題や課題が見えてきたところで、当社の「フードデータ・コンテナ」をご利用してみてください。個人個人が実施しているマーケティング・リサーチ業務が、社内の一箇所に集約され、1から6まで目的達成に向けて業務の支援に役立ちます。
次に、フードデータ・コンテナで収集されたデータ群から「DX経営の次なる一歩」がスタートします。当社では、システムツールのご提供だけでなく、DXに向けて自社課題を1つづつ紐解き、経営改善コンサルティングも承っております。
お気軽にご連絡ください。お問合せフォーム