売れる商品開発へのマーケティング【中小食品メーカーができる方法】
中小の食品メーカーが大手スーパーに新商品を扱ってもらう堅実な方法
「大手のスーパーに新商品を売り込んでも全然扱ってくれない」
「消費者が求めていた商品を開発したつもりだが、小売店は見向きもしてくれない」
といったお悩みを抱えていませんか?
特に、中小の食品メーカーはこのような悩みを抱えていることが少なくないと思います。
この記事では、このような悩みを抱えている中小の食品メーカーへ向けて、大手スーパーに新商品を大量に扱ってもらう為の方法について解説していきます。
結論を先に述べると、押さえるべきポイントは以下の3点に要約されます。
・商品開発はマーケティングありきで、消費者ニーズを把握する
・新商品を扱ってもらうにはバイヤー目線のマーケティングが重要
・バイヤー目線のマーケティングには、店頭での実地調査が肝心
この記事を最後まで読むことで、
「食品における商品開発には何がポイントなのか」
「大手スーパーに新商品を扱ってもらう為の具体的な戦略はどう立てるのか」
「大手スーパーが好む商品のマーケティングリサーチを効率的に行う方法・ツールは何か」
といったことについて、簡単に理解することができます。
それによって、今後の商品開発における具体的な施策について、すぐに考え始めることができるでしょう。
ついでながら、
この記事を執筆している当社ADAPTER INC. は、関東地方を中心に複数のメーカーと取引があるため、現場の実情を詳しく把握しています。
また当社は、お陰様でここ半年で取引メーカーが約3倍に増えており、マーケティングリサーチにおける自社のDXソリューションは急速に支持を集めています。
商品開発はマーケティングリサーチから
まず、基本的に商品開発はマーケティングリサーチからスタートすることがほとんどであり、その方が失敗しにくい商品開発ができます。
商品開発の初めには、マーケティングリサーチによって、まず消費者のニーズを調査し、「消費者はどのような商品を求めているのか」を把握する必要があります。なぜなら、開発側が良かれと思って、実際に消費者が求めていないものを作っても(プロダクトアウト)、当然売れない可能性が高くなってしまうからです。
何が売れているのかといった定量データや、ヒアリング等で得られた定性データを取得するための活動が、マーケットインの思考に基づく消費者目線のマーケティングリサーチです。
いわゆる「新商品のムダ打ち」は、この消費者目線のマーケティングリサーチが十分に行われず、「消費者が欲しているものとはズレている商品を作ってしまった」というような場合に起こりやすいといえます。
商品開発の方法の全体像については、以前の記事で書いていますので、併せて読むことをお勧めします。
消費者目線のマーケティングリサーチだけでは不十分
マーケットインの思考に基づき、消費者目線のマーケティングリサーチによって掴んだ消費者ニーズに基づく新商品を開発しても、それがそのままスーパーなどの小売店に置いてもらえるわけではありません。
なぜなら、消費者が求めている商品と、小売店が店頭に置きたい商品は必ずしも一致しているわけではないからです。
消費者目線のマーケティングリサーチだけでは、小売店に置いてもらいやすい商品はどのようなものなのかという観点が抜け落ちてしまいます。
したがって、冒頭で述べた「大手のスーパーに新商品を売り込んでも全然扱ってくれない」や「消費者が求めていた商品を開発したつもりだが、小売店は見向きもしてくれない」といった悩みへの解決策は、マーケットとして「消費者」と「小売店」を見ることにあるといえます。
バイヤー目線のマーケティングリサーチも重要
スーパーなどの食品小売店に置いてもらえる商品を開発するには、小売店のバイヤーのニーズを把握することが重要です。
バイヤーは、食品メーカーや卸から新商品を仕入れる際に、
「この商品を仕入れることで、どれだけ効率的に儲けられるか」という観点で仕入れの要否を判断します。
つまり、現状の商品ラインナップや回転率、商品陳列スペースなど、
実際の売り場や売れ行きを勘案して、新商品を仕入れるかどうかを決めることになります。
したがって、新商品を開発して売り込む側も、売り込み先の小売店の状況を把握することが有効になってきます。
これをバイヤー目線のマーケティングリサーチと呼んでいます。
バイヤー目線のマーケティングリサーチを行うことで、
バイヤーが求めている商品を見出すことができ、結果として小売店に置いてもらえる商品開発につながります。
食品小売店の状況を把握する方法
では、新商品を売り込む先の小売店の状況をどのようにリサーチすれば良いのでしょうか。
たとえ、バイヤーにどのような新商品を導入したいかを直接ヒアリングできたとしても、
バイヤーは商品開発をする仕事ではありませんから、そこから明確な答えが返ってくることは少ないでしょう。
食品業界に限ったことではないですが、
新商品を開発して売り込む側が、相手(小売店・バイヤー)の状況を把握し、その上で相手が求めている商品を開発する必要があるのです。
実際の小売店の売り場は、これまでその小売店・バイヤーが仕入れてきた商品が並んでおり、
その小売店にとって店頭に置きやすい商品とは何かのヒントが散りばめられています。
したがって、小売店の状況をリサーチするには、実際の売り場を直接リサーチすることが有効です。
実際の売り場を直接リサーチすることで、以下のような情報を入手することができます。
・取り扱っている商品のカテゴリー
・それぞれのカテゴリーでどれくらいの種類の商品を扱っているか
・それぞれのカテゴリーにどれほどの陳列スペースを割り当てているか
・商品はどのように陳列されているのか
・カテゴリーごとの商品の売れ行きはどうか
このような情報から、
間接的にその小売店がどのような商品の販売に力を入れていて、どのような商品なら今後仕入れる可能性があるかを分析することができるのです。
食品小売店の店頭調査の実情
ここまでで、小売店が置きやすい商品を開発するためのバイヤー目線のマーケティングリサーチとして、
小売店の売り場を直接リサーチすることが有効であることが理解できたと思います。
わざわざ、それぞれの小売店の店頭まで出向いて、売り場の状況をリサーチするというのは、実際には非常に大変な仕事ですが、リサーチ会社などに依頼して店頭調査を依頼すると、多大なコストが掛かってしまうことが一般的です。
そのため食品業界の企業は、自社でこの店頭のマーケティングリサーチを行っているところが少なくありません。
また、商品開発のためにバイヤー目線のマーケティングリサーチを行う場合には、
画一的な調査項目ではなく、臨機応変に店頭調査をしていくことが必要になる場合が多く、リサーチ会社などに依頼しにくいという事情もあります。
このような理由で、食品業界における店頭のマーケティングリサーチは、多くのメーカーや卸企業が自社で行っています。
現在、一般的な中小食品メーカー等は、以下のようなプロセスで食品小売店の実地調査を行っています。
- 担当社員が、食品小売店をそれぞれ回って調査を行う
- それぞれの担当社員がリサーチの結果をまとめる
- リサーチの結果を全体に共有する
店頭に出向いて調査をすることだけではなく、
リサーチ結果をまとめて全体に報告するといったプロセスまで含めると、多大な時間がリサーチ活動に回されているのが実情です。
売れる商品開発の為のマーケティングリサーチとは
売れる商品開発のためには、消費者目線とバイヤー目線のマーケティングリサーチから始める必要があることは上で述べてきた通りですが、
商品開発において、マーケティングリサーチはあくまで初めのステップであり、
その後のプロセスとして、リサーチ結果の分析 や新商品コンセプトの設計など多くのステップがあります。
しかし、リサーチおよびそれに付随する「結果をまとめる・共有する」といった行為に時間が取られすぎた結果、
その後のステップである分析やコンセプト設計という部分に十分な時間が使えていない企業も多いのが食品業界の実情といえます。
売れる商品を開発するには、より効率的にマーケティングリサーチを行っていく必要があるでしょう。
リサーチ結果をより多くの時間をかけて分析し、新商品のコンセプトを熟考することで、商品開発のプロセス全体をより質の高いものへ向上させていくことが、
結果として消費者およびバイヤーが求めている商品を開発することにつながるではないでしょうか。
当社ADAPTER INC.は食品業界に特化してDXを推進しており、上記のような手間とコストのかかる食品小売店の店頭調査を効率化するツールを提供しております。
詳しくは以下のリンクよりご覧ください