【マーケティング初心者向け】PDCAの基本を押さえ、V-PDCAをマスター 

マーケティングで効果を出すにPDCAではなく、V-PDCAを活用!

Planning

この記事では、マーケティング戦略を考える上で役立つ「V-PDCA」の考え方についてお伝えします。 

“PDCA”はどんな業務を行う上でも大切なメソッドですが、目先のPDCAだけを回し続けていると、
いつの間にか当初考えていたのとは違う方向に向かっている…ということにもなりかねません。 

“V”の存在を正しく理解し、より成果の出る仕事にシフトしましょう! 

  

PDCAの基本理解 

 

PDCAを意識して仕事しろ!」、「私はPDCAを回すことのできる人間です」
こんな言葉、よく耳にしませんか? ビジネスパーソンでPDCAという単語を聞いたことがない人は少ないでしょう。 

PDCAとは

Plan(計画する)、Do(実行する)、Check(評価する・検証する)、Act(改善する・是正する)の頭文字をとった言葉で、
この4つのフェーズを通ることで確実に業務を進めていくためのセルフマネジメントメソッドです。
この4つを繰り返すことで業務を効率化(改善)していくことをPDCAサイクルと呼びます。 

ダイエットを例にとって、PDCAを考えてみましょう。 

 Plan    3か月で5キロ痩せる(そのために、2か月後4キロ痩せていることを確認する) 

 Do    食事を減らす ランニングする 

 Check   2か月後、4キロ痩せられたか? 

  ↓(目標未達成だった場合…) 

 Act   あと1ヶ月で2キロ痩せられるように、筋トレも追加する 

このように、途中経過時点の評価点を設定しておき、
見直しと改善を加えることで、目標を達成することができます。

まずはこの流れだけ押さえておけば、PDCAへの理解は十分でしょう。 

 

PDCAを進化させた概念V-PDCAとは? 

 

V-PDCAは上記のPDCAに「V」(Vision)を加えたもので、近年多くの上場企業でも注目されている考え方です。 

上記の例で、単にPDCAを実行した場合では、実際に目標としていた体重に到達できたとしても、本当に実現したかったことは達成できない場合があります。
例えば、「全体的に体をすっきり見せたい」という場合は、体重が5キロ落ちれば当初目標も達成できるでしょう。
しかし「夏が近いし、ノースリーブを着ても二の腕が気にならないようにしたいな」という場合はどうでしょう。
食事制限とランニング、というメニューでは、そもそも何とかしたかった「二の腕」へのアプローチとしては十分ではないと思いませんか?
 

この「そもそもの目標」に当たる部分が”V”、つまりVisionです。 

Visionを明確にすることで、それを達成するための計画や評価項目が立てやすくなり、直線距離でPDCAサイクルを回すことが可能になります。
この最短でPDCAサイクルを回すことこそが、マーケティン施策の実施においては特に重要と言われています。 

 

マーケティングだけではなく、会社はPDCAで回っている 

 

プレゼン資料の作成、個人目標の達成など、日々の業務にPDCAを取り入れている方は多いのではないでしょうか。
実は会社はこのような個人のPDCAを含めた複層的なPDCAで成り立っています。 

そもそも、経営者は何のために「会社」を立ち上げるのでしょうか。他社では実現できない、譲ることのできない考えを実現するためです。
この「譲ることのできない考え」を表すのが経営理念(=創業の精神)です。
ですから、会社は経営理念を実現するために日々の営業活動を行うわけです。
夢の実現に向けた道筋を描き、いつまでに、どこまで進むのかを考え(中期経営計画)、具体的な進み方を定めていく(事業計画)のです。
この一連の流れに、実は複数のPDCAが隠れています。

経営理念(P)を実現するための(D)としての中期経営計画。
中期経営計画(P2)を実現するための(D2)としての単年度計画。
単年度計画実現(P3)のための、各部門における活動計画(P4)。
そして、部門活動計画実現のための各課の活動計画、個々人の活動計画(目標)…。

PDCA

 

このように、各階層ごとの計画や目標を達成するために一つ下の階層での活動があるのです。
これは言い換えれば、下層の活動計画が充足されていなければ、より上階層の計画は達成できない、ということになります。

皆さんの普段の業務一つひとつがうまく機能していくことが、経営理念実現の足掛かりになっているのです。 

 

PDCAをより効率よく機能させよう! V-PDCAの「V」を設定するコツ 

 

最上階層における「V」は何でしょうか。それはもちろん、経営理念です。
それぞれの下位階層にもそれは共通するでしょう。

しかし、例えば所属先の経営理念が「地域社会への貢献」だったとして、
普段の業務をこなすことで「この業務を達成することは地域社会への貢献につながっている!」と実感できるでしょうか。
もちろん、業務内容によっては社会貢献に直結して
いる場合もありますから、ゼロだとは言いませんが、そう多くはないでしょう。 

では、現場の部署単位では「V」をどのように設定すればよいのか考えてみましょう。

例えば、「年度計画達成のために、営業本部で100億円分売り上げることが必要だ。そのために営業1課では年間売上45億を目指そう」と言われればいかがでしょうか。

「なら、チームメンバーの人数、能力を考えて、自分は5億を目標としよう。そのためには、どんなことをいつまでにすればいいかな…」と納得感を持って個人業務のPDCAを立てることができます。

このように、所属階層より1~2つ上の階層におけるCの指標をVとして設定し、自身の目標を定めることで、
効率よく自身の目的意識を明確にして業務に取り組むことができます。
 

  

マーケティングにおけるPDCA設定の具体的なやり方 

 

ここで「マーケティングにおけるPDCAのゴール」について具体的に考えてみましょう。

「そりゃ、ターゲットにした客層に商品を買ってもらえることだろう」と考える方もいるでしょう。

よく販売促進やプロモーションを指してマーケティングと称されることがありますが、
本来、マーケティングは企業の販売促進活動全般のことを指します。つまり、顧客が商品を欲しくなる仕組みを作る活動のことですね。

実は「決めたターゲットに売れたか」はゴール(V)ではなく、一つのPDCAの中の「C」に当たる内容になります。

先ほどの「Vを設定するコツ」を思い出してみましょう。マーケティング部における目標は「売れる方法を確立すること」であり、その上層には部門としての「〇〇億の売上」という目標があります。ですから、マーケティング活動においては「どれだけ売るのか」がゴールの一指標となるでしょう。

では、「売れさえすればいいのか!」というと、そういうわけでもありません。

皆さんの所属部門にも、部門方針を定めているところは多いのではないでしょうか。
例えば、調達部門であれば「安定品質、安定調達」といったものです。
マーケティング部門ですと「顧客の幸福度が高まる仕組みづくり」などでしょうか。
特に、マーケティング戦略はお客様がいて初めて成立するものです。部門方針や倫理規定も意識して業務を組み立てていくことも必要です。

少し話は逸れましたが、目標となる売上額(V)があれば、そこに向けて

「どんな商品を(What)」「どんな期間で(When)」「誰に向けて(Who)」「どこで(Where)」「どんな方法で(How)」売るのか?

その効果測定をいつ行って、次はどんな施策を打ち出していくのか、

と、活動計画が明確になりますし、目標までの直線距離でのPDCAサイクルを回していくことが可能となります。

ただし、これらの計画を立てていくには、事前に「市場でどんなニーズがあるのか」「自社製品はどこが競合よりも良いのか」を考える必要があります。

普段から自社の領域に関わる市場情報をキャッチし、計画策定時の材料をしっかり準備しておきましょう。

  

まとめ 

いかがでしたか? 

目標(V)を明確に持ち、5W1Hを意識したPDCAを立てることで、活動がより効率化します。
マーケティングだけでなく、ぜひいろいろな業務でも実践してみてください。 

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